インタビュー:NPO法人いちえの会


こんにちは、おひとりさまのための死後手続き相談窓口のわたしご(「わたしの死後手続き」の愛称です!)運営スタッフのHです。

わたしごでは、提携パートナー法人の方々に、事業内容の紹介や死後事務、生前契約の「今」を語っていただくインタビューをリレー形式でお届けしていきます。

今回は、NPO法人いちえの会の先崎秋幸さんにインタビューをさせていただきました。

今回インタビューさせていただいた方

先崎 秋幸

せんざき・あきゆき

NPO法人いちえの会・福岡市担当職員(遺品整理士)

Profile Picture

自分らしく生きる手助けを

先崎さん

先崎です、よろしくお願いします!

さっそくですが、最近、おひとりさまが増えているという状況は、数字にも表れているそうですね。

先崎さん

はい。内閣府が発表した結果によると、日本における65歳以上の高齢者の数は、過去最高の数字を記録しており、数年後には全人口の3分の1が高齢者と見込まれています。

さらに、ひとり暮らしをしている高齢者、いわゆる独居老人の数は、年々増加の一途をたどっています。

なるほど。それで、高齢者の社会的な孤立が問題になっているんですね。

先崎さん

そうなんです。少子化や核家族化が相まって、家族関係も変化している現代では、身寄りのない方や家族がいても関係が疎遠なため頼ることができないといった方が増えています。

以前は、地域における近所付き合いなども活発に行われていましたが、最近ではこうしたつながりや、家族関係ですら希薄なケースが増えており、孤独死の数も増加傾向にあるのが現状です。

日常生活のさまざまな支援まで

いちえの会が設立にあたって、どんな思いがあったのでしょうか。

先崎さん

「いちえの会」では、病気のときに適切な治療が受けられない方や、施設に入所できない方などの身元保証人となって支援をしています。

それ以外にも、介護や福祉の制度だけでは補いきれない、家族の方が担っているような役所の手続き、病院受診の送迎や付添といった日常生活のさまざまな支援をしていきたいと考えています。

家族のような支援、という言葉がぴったりですね!

先崎さん

ありがとうございます。わたしたちが目指しているのは、高齢者や障害を持った方が安心して心豊かな生活を営むことができるように支援することです。

高齢者が自分らしく生きる手助けをし、権利の擁護を図るとともに、地域社会の福祉の増進に寄与していきたい。そういう思いで、設立に至りました。

「安心・安らぎ・笑顔」がコンセプト

つづいて、いちえの会の運営理念を教えてください。

先崎さん

介護や福祉の制度だけでは解決できない問題を、「安心・安らぎ・笑顔」をコンセプトに、高齢者や障害を持つ方にとって少しでも安心できる社会を目指すことです。

一番アピールしたい強みはありますか。

先崎さん

死後事務だけではなく、身元保証や生活支援等、万が一の支援も対応可が可能です。その際は、同じ担当者がご対応します。

わたしたちは現場の支援に力を入れているので、直接お顔を見てお話しを聞き、体調確認をするなどのサポートをしています。

相談をしてから対応するまでの期間は、どのくらいを見ておけばいいでしょうか?

先崎さん

2~3か月程かけてご対応します。施設の説明や介護保険制度など基本的なご説明をした後に、お客さま自身がじっくり考えるための時間を設けています。

ゆっくり検討してから入会したい人も、安心して説明を受けられそうですね。

先崎さん

検討した後に入会をご希望される場合は、具体的な資産の相談に入り、ライフラインを整えていきます。来店が難しい場合はご自宅に伺って、出張面談も行っています。

ぜひいちどご相談ください!

保証人は事前に準備しておく傾向に

最近のお客さまの傾向はありますか?

先崎さん

葬儀や納骨に関して、直送や小規模で簡素なものを希望される方が増えている印象です。

その分、遺品の処分や自宅の撤去、関係先への未払いがないようにしたいという意向を持つ方が多く感じます。

ほかにもなにかご相談の内容で変化してきたと感じることはありますか。

先崎さん

今はお元気な方でも、万が一のときに頼れるところがない、といったご相談が増えています。特に70から80代の方がご自身で相談に来ることが多いですね。

中にはすでに終活をされている方もいるので、そういう方は漠然と不安なお気持ちをご相談しに来られるようです。

身元保証人についての相談も増えてきているそうですね。

先崎さん

おっしゃるとおりです。

実は、以前は子どもや兄弟といった親族が担うことが多かった保証人も、遠方にいて頼れない、または、まわりに頼れる人が誰もいないといったケースが年々増えています。

そのため、ご自身で事前に準備をされる傾向が見られるようになりました。遠方のご家族が病院から紹介されて、ご相談に来られる方もいますね。

もう一人の家族として

よく相談される内容としては、どんなことがありますか?

先崎さん

費用についてのご質問が一番多いです。

その場合、お客様の要望をヒアリングした後に費用の見積もりをお出ししています。また、施設入所の身元保証を依頼される場合は、現在の預貯金と収支から今後の生活のシミュレーションを行っています。

最近の事例で、印象的なエピソードがあれば教えてください。

先崎さん

奥様を亡くされて、お子さんのいない80代後半の男性が介護施設で生活されることになったのですが、買い物に行くことが難しいのでご依頼をいただきました。

わたしたちが介護施設を訪れて、ご要望のものをお渡しすると、涙を流して喜んでいただいて、とても印象的でした。

お客さまへの対応でとくに大切にされていることはどんなことでしょうか。

先崎さん

「もう一人の家族」として、何でも話しをしていただける関係作りを大切にしています。

当会では会員のお客様へ月1回の定期訪問を行なっており、日常的に支援の必要ない方とも世間話等を通じてコミュニケーションを取らせていただいています。

メッセージ

最後に、生前契約を検討している方にメッセージをお願いします。

先崎さん

すぐに利用をするわけではなくても、今後の参考にとお考えの方も、ぜひご相談ください。

当会の支援内容を聞かれた方の中には、「何かあったときにこのようなサービスがあることが知れて安心しました」と言っていただけた方もいらっしゃいますので、お気軽にお問合せください。

また、生活支援やご自宅訪問など日々のサポートや、難しいお手続き関するお悩みなど、幅広い分野においてご対応できるため、まずはご相談いただければと思います。

先崎さん、ありがとうございました!

NPO法人いちえの会・概要

身寄りに不安のある高齢者や障害者、そのご家族のお手伝いをする「NPO法人いちえの会」は、日常生活のお手伝いから、入院や施設入所時の身元保証、万が一の時の葬儀や死後事務等、幅広く支援している。依頼者の生活環境やお体の状態によって、その時に必要な支援を選んで利用することができる。