インタビュー:コレカラ・サポート(一般社団法人コレカラ・サポート)
こんにちは、おひとりさまのための死後手続き相談窓口のわたしご(「わたしの死後手続き」の愛称です!)運営スタッフのHです。
わたしごでは、提携パートナー法人の方々に、事業内容の紹介や死後事務、生前契約の「今」を語っていただくインタビューをリレー形式でお届けしていきます。
今回は、コレカラ・サポートの千葉晃一さんにインタビューをさせていただきました。
今回インタビューさせていただいた方
千葉 晃一
一般社団法人コレカラ・サポート 代表理事
人と人が支え合う社会の実現へ
千葉です、よろしくお願いします!
さっそくですが、事業内容について教えてください。
高齢化に伴い地域の中で支援が届かずに悩みを抱える人に対して、人や地域資源をつなげることで、悩みを解消し社会から孤立することをなくす取り組みを行っています。
具体的には、どのような取り組みですか。
以下の2事業になります。
〈相談支援〉高齢者とご家族の相談支援ワンストップサービス
〈超高齢社会 ゲーム体験プロジェクト〉「コミュニティコーピング」の開発
創業にいたるまでの経緯を教えてください。
私はさいたま市に住んでいたときに東日本大震災を経験しました。当時はファイナンシャルプランナーをしており、たくさんの人からご相談をいただきました。
そのときの経験が現在の取り組みのきっかけになったのですか。
はい。相談を受けていく中で、多くの人が周りの方からのサポートを得られていないことに気づきました。
そこで、相談のワンストップサービスを行う「コレカラ・サポート」を設立し、翌2012年5月に法人化しました。
コレカラ・サポートの経営理念を教えてください。
「人と人が支え合う社会の実現へ」です。助けが必要なときに「助けて」と言える社会になるように、社会的孤立をなくしたいと考えています。
支援を必要としていても、家から出られない方は多いと聞きます。
おっしゃるとおりです。
介護をしていて外出する余裕がなかったり、精神的に弱ってしまっていたりなど、助けを求めることができないためです。それは社会的孤立に繋がっていきます。そういう方にも役立つ情報や支援が届くように、活動をはじめました。
周りの私たちから声をかけてあげる
依頼者へのアピールポイントはありますか。
医療や福祉職の方からのご紹介が多く、どのように対応したらいいのかわからないと相談を受けることがあります。
また、私たちは助けて欲しいと手をあげていない人にもサービスを知っていただきたいと思っています。
自分から助けを求めることができない方には、どのようにアプローチするのですか。
当事者にならないと気づきにくい問題に対して、潜在的に社会に役に立ちたいと考えている人を巻き込むことでアプローチします。そのツールとして「コミュニティコーピング」を開発しました。
「コミュニティコーピング」とは、どのようなツールですか。
私たちは、昔から世話焼きなおばさんや市民活動団体など、自分たちの周りに解決の素地を持っています。これからは、支援が必要な人とそれらの地域資源・専門職をどうつないでいくのか、地域の中でその役割を担う人が今後必要になってきます。
周りの方から困っている人へアプローチするということですね。
はい。「困っている人が助けを求める」ではなく、周りの私たちがちょっと勇気を出して声をかけてあげるきっかけ作りですね。
ゲームにした理由はなんでしょうか。
困難な出来事に直面したとき、「これはゲームで体験したあのときの状況では?」と気づいたからです。私はゲームを通じて、楽しみながらこの輪を広めていきたいと考えています。
ゆっくりと向き合っていく
ここ最近の依頼者の傾向があれば教えてください。
周りに頼れる人がいないという方が増えていますね。
例えば、ご夫婦でどちらかが亡くなってしまった方やお子さんのいない方、独身の高齢者などです。
相談件数も増加していますか。
いえ、コロナ禍においてはご紹介数が半減しました。しかし、困っている人の数が減ったのではなく、困っている人の声が届いていないということになります。
だれに相談したらいいか、わからないのですね。
そうだと思います。ほかにも、ご家族を亡くされたばかりのご遺族の心の状態は平常ではないことがほとんどです。実際にうつ病を抱えていて相談するのが難しい方もいます。
そうした依頼者には、どのような対応が必要になりますか。
すぐに解決するのではなく、ゆっくりと向き合っていくことが大切ですね。
気づくことが大切
依頼者からよく相談されることがあれば教えてください。
支える側の家族からのご相談が多いですね。自分が介護をしているけれど、もしも自分が困ったときにはだれを頼ったらいいのか、どうしたらいいのかと相談を受けることが多いです。
たしかに、家族もどうしたらいいのかわからないですよね。
当事者の支援はたくさんありますが、支える側の支援はまだ多くはないので、そうしたご相談が多いですね。
依頼者への対応で大切にしていることはどんなことでしょうか。
困っていても上手く伝えることができない人はたくさんいます。また、話している言葉がすべてとも限りません。そこに私たちが気づくことが大切だと思っています。
具体的には、どのような対応になりますか。
事務的な話をするのではなく、まずはその方の人生観や、今までどうやって生きてきたのかをお聞きすることが大事ですね。
依頼者にしっかり向き合う姿勢が魅力ですね。
ありがとうございます。
必要だと思う方にはご訪問を重ねて、時間をかけて向き合っていきます。助けが必要なのに気づいていない方もいれば、まだ必要ないが不安が募っている方もいますので。
依頼者の状況に合わせて、柔軟にサポートするということでしょうか?
そうですね。その人それぞれに合わせた適切な対応が必要になります。
そのため、ご相談された方が必ずしも契約するとは限りません。
メッセージ
最後に、生前契約を検討している方にメッセージをお願いします。
契約すればすべて解決するというものではありませんので、一緒にきちんと考えていきたいと思います。
また、いちど契約したからと言って、そのまま何もしなければ必ず古くなっていきます。常に更新して、お客様の状態に合わせた最善のサービスをご提案するようにしています。
千葉さん、ありがとうございました!
コレカラ・サポート 概要
~高齢者とご家族の相談支援ワンストップサービス~
一般社団法人コレカラ・サポートは、超高齢社会の『社会的孤立』という課題解決を目的に、アナログゲーム開発・ゲーム体験による潜在関心層の発掘、オンラインコミュニティ開催による人と情報の交流、人と地域資源をつなぐリンクワーカーの役割を担うプレイヤー・ゲーム展開に協力してくれるインフルエンサーの養成と支援、『社会的処方・専門家連携』による高齢者と家族の相談支援活動をコミュニティで実践している。