リレーコラム:身元保証団体等について
世の中には様々な身元保証団体等が多数存在します。まずは、その種類について、しっかりと理解する必要があります。
今回コラムを書いたひと
東向 勲さん
日本ライフパートナーズ協会・代表理事
大学卒業後すぐに行政書士資格を取得。その後、上場会社や医療法人の総務人事課で勤務する。医療法人で約10年間勤務したキャリアを活かし、医療・介護・福祉専門の行政書士として開業。主に認知症の方の法律的支援や医療・介護従事者の法律に関するセミナーなどをおこなっている。社会福祉協議会や地域包括支援センターなどからの講演依頼も多数。現在までのセミナー受講者数は延べ800人以上。
身元保証団体の種類
世の中には様々な身元保証団体等が多数存在します。まずは、その種類について、しっかりと理解する必要があります。
身元保証という言葉に明確な定義がありませんが、大きく分けると3つに分けられます。まず、本人の「連帯保証人」となってくれる団体です。有料老人ホームなどの住宅型施設では、入居の際に「連帯保証人」を必須としているところが多いです。
この「連帯保証人」を頼める人が身近にいない場合は、その「連帯保証人」を代わりに担ってくれる団体があります。こういった団体は、「連帯保証人」の欄に名前を書いてくれるだけで、日常の生活の支援などのサービスは提供していません。例として挙げると、不動産会社の子会社でこういった「連帯保証人」として有料のサービスを提供していることがあります。
次に、本人の「身元引受人」となってくれる団体です。病院に入院する際や住宅型施設に入居する場合に「身元引受人」を求められることが多いです。緊急時に連絡がつき、きちんと対応してくれる人を想定しています。また、ご本人が亡くなった際の対応もしてくれる方を想定しています。「身元引受人」を頼める人がいない場合は、こういったことを代わりに担ってくれる団体があります。任意後見の活動をしている団体などがこれに当てはまります。
最後に、本人の「連帯保証人」と「身元引受人」の両方になってくれる団体です。こちらについても、任意後見の活動をしている団体がこの両方を担っている場合があります。
身元保証団体の種類としては、概ねこの3つに分けられます。さらにこういった団体がどのようなサービスを提供しているのかをしっかりと確認する必要があります。
例えば、「身元引受人」にはなってくれるとして、本人の見守りなども定期的におこなってくれるのか、ということです。単純に「身元引受人」として名前を書くだけで、日常の見守りなどはサービス外であるということもあります。その団体がどこまでやってくれるのか、しっかりと確認する必要があります。
また、任意後見契約を結んで、将来の財産管理も担ってくれるのかなども確認する必要があります。身元保証団体等を利用する方は、独り身の高齢者など身近に親族などがいない場合が多いです。将来的に問題となる財産管理についても担ってくれるのか、この点も必ず確認するべき事柄です。
【ポイント!】
- 本人にとって、「連帯保証人」が必要なのか、「身元引受人」が必要なのか、をはっきりさせる。
- 依頼しようと考えている団体のサービス内容をしっかり確認する。
- 本人にとって、どのサービスが必要かを明確にする。
身元保証団体について調べるポイント
まず、注意してみていきたいのは、運営主体がどのようなところで、代表者や役員にどのような人がいるのか、という点です。民間人が設立した団体や法人もありますから、その民間人がどのような人なのかをしっかりと調べられる範囲で調べることです。
信頼できる団体なのか、入会しても大丈夫な法人なのか、それを判断する材料は多ければ多いほどいいでしょう。今の時代、インターネットで団体名や代表者の名前を検索すれば、たくさんの情報を得ることができます。
具体的に調べる内容はと言うと、やはりどのような人が代表者をしているのか、どのような活動をしているのか、ちゃんと想いがあって高齢者の支援をしているのか、こういった事を調べるのがいいのではないでしょうか。
運営している人がどのような人か、を見ていくポイントとしていくつか挙げさせていただきます。
まず、なにか国家資格をもっているかという視点はひとつのポイントになるでしょう。国家資格者イコール信頼できる人、にはなりませんが、ひとつの安心材料であることには間違いありません。
国家資格者が仮に横領などの犯罪行為をすると、その資格をはく奪されることが多いです。そうすると、今まで資格をつかって仕事をしてきたので、資格がなくなることで仕事ができなくなり、生活に困ってしまいます。こういったリスクを冒してまで、国家資格者が横領などの犯罪行為をする可能性は低いです。そこが民間人とは違うところです。
あとは、その団体や代表者がどれだけ高齢者支援を積極的におこなっているかも確認したいところです。例えば、いろいろな地域で講演しているとか、高齢者支援の分野において新聞で紹介された等、しっかりと真面目に活動していれば、インターネットには情報として出てくるはずです。できる限り多くの情報をしっかりと調べましょう。
また、団体がどのような役員構成なのか、どのような想いで活動しているのか、このような事は一般的にホームページなどに載っている情報になるので、簡単に取得できます。役員構成や活動内容、団体を設立した想いなどが書いていない団体は避けるべきでしょう。設立に対する想いやどのような想いで活動しているのか、ここが一番重要です。
この「想い」がない活動は、結局お金儲けだけを目的にしている団体であるということです。また、ホームページでは立派な内容を書いていても、地域でそのような活動をしていなかったら、それもやはりインターネットで調べればすぐにわかります。きちんと「想い」をもって活動しているか、本当に信頼できる団体かを見極めるにはこれが大きなポイントになります。
【ポイント!】
- 運営主体はどこなのか?
- 代表者はどのような人なのか?
- 国家資格などを持っているのか?
- 団体の役員構成や活動内容は?
- 想いを持って活動しているか?
- 地域社会でしっかりと活動しているか?
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